ロレックスのチャートから見る経済




脱サラパパでございます。

兼業・専業投資家を経て、今は損切り貧乏のデイトレーダーをやっています。

投資対象として取引しているのはほとんどが株ですが、どうやら相場を見るのは株に限らず好きなようで、最近は高級腕時計ブランドのロレックスのチャートを見て面白いなと思っています。




サブマリーナデイト116610LNのチャート

ロレックスの代名詞と言えば「デイトナ」というスポーツタイプの腕時計ですが、

こちらは人気が高くてロレックス正規店では入手困難なため、いわゆる「プレミア価格」が乗り過ぎていて、チャートを見ていてもあまり参考になりません。

定番の「サブマリーナデイト」の方がチャートを見ていて消費者心理が掴みやすいと感じています。

このサブナリーナデイト(116610LN)の定価は874,800円(税込)です。

2月17日時点、ロレックス正規店以外で購入しようとすると最安値で1,220,000円。

ロレックスは販売本数を絞っている為機種にもよりますが、需要と供給がアンバランスとなっていることもあり、メーカーとの正規ルートで輸入される正規店で購入するにはまあまあ運ゲーになります。

なので並行輸入品という第三のルートで輸入されたロレックスが、時計店からビックカメラなどの家電屋さんまで色々な場所で販売されているのですが、供給より需要が上回っている為、通常であれば価格競争が発生して安くなるはずの並行輸入品の価格の方が高いという歪な現象が発生しています。

もちろん腕時計ですので、株のように買った値段ですぐ売却できる訳ではありませんが、定価に対する価格の上昇率は+39.5%となっています。

押し目らしい押し目もなく、どんどん上がっているのが分かりますね。

そして、チャートは2017年2月13日から2019年2月17日の表示となっていますが、2010年の初値が748,000円であることを考えると、

定価より高くても買いたい

という人がいるからこその価格上昇で、それもここ2年間という事が読み取れますね。

なぜロレックスの価格が値上がり続けているのか?

腕時計投資をしよう、なんて事が今回のブログの趣旨ではなく、経済指標では読み取れない消費者心理を感じ取る参考になるのでは?というお話です。

ロレックスは中古市場が確立されており、また流動性もあるのでさながら金融商品のようです。

景気が冷え込めば定価より安くもなりますし、好調なら金余りが流れ込んで価格も上がる。

でも、「景気が良い」なんて日本人の多くは感じていない訳で。

なんで値上がり続けてるんでしょうね?

日本で販売されているロレックスは、

・信用されている(偽物が極めて少ない)

・円安のお陰で安く入手できる

その為、2年前くらいはロレックスコーナーには中国人がたくさんいた気がしますが、外貨両替・持ち出し・海外での現金引き出しの規制が強くなってきた為、ここ最近はだいぶ少なくなった印象があります。

それでも、

クレジットカードでロレックスを購入し、

売却して日本円に換金したり、

こっそりアメリカへ持って行ってドルに換金したり。

なんてことをやっている中国人もいるような気がします。

定価より高いお金を出してまで買うのはその商品にそれ以上の価値を感じたり(嗜好性)、生産数には限りがあったり(希少性)、お金を持っているというアピールになったり(見栄)、いろいろあると思いますが、最近のロレックスの相場を見ていると個人的には、

人民元への不安感

が高まっているからなのかな?と思います。

ロレックスと為替と株価チャートの相関性はある?

あちこちしているので、これまでの話をまとめますと、

  • ロレックスのチャートから消費者心理が読み取れそう
  • 購入理由が嗜好性・希少性・見栄から人民元への不安感によるものに変わったのでは?
  • ロレックス購入が中国人の外貨獲得の一手段になっているのでは?

というお話です。

まあ、相場感がなくて投資からデイトレードへ転向した弱小トレーダーのデータの根拠もない妄想話と思って聞いて下さい。

ロレックスのチャートを見る上で欠かせない為替の影響(円安だと外国人が日本で購入する動機になる)を見てみると、

2013年から2016年に入るまでをピークに右肩上がりでしたが、2017年からは110円前後をうろうろしていますね。

2017年以降のロレックスの価格の上昇と為替はあまり相関性がなさそうです。

株価を見てみると、

日経平均:参照 SBI証券
ダウ平均:参照 SBI証券
上海指数:参照 SBI証券

日経・ダウ・上海指数の10年チャートを並べてみましたが、2017年から切り取ると日経・ダウは確かにトレンドは上になっています。

但し、2019年に入ってかなり株価は戻しましたが、2018年は年末にかけて大きく株価を下げましたので相関性があるかどうかと聞かれると、なんとも言えませんね。

上海指数に至ってはどちらかというと下げトレンドですね。

為替・株価で見てもあまりロレックスの価格が高騰している理由としてピンときません。

値上がりの理由は人民元への不安と米中貿易戦争にあり?

私が想像するのは、人民元の不安と米中貿易戦争による影響が大きいのでは?ということです。

米中貿易戦争をアメリカの立場に立って、私なりの解釈で簡単に言うと、

  • 中国は他国では好き勝手やっている
  • だけど中国国内では外資への規制が厳しい
  • 更に知的財産権などもお構いなし
  • 中国は国際ルールを守り、更に市場を解放せよ

当たり前だけど誰も中国に強く言えなかったことをトランプ大統領はやろうとしている、ように見えます。

(それとも本当にただの破天荒大統領なのか、分かりませんけど)

こう書いてはいますが、脱サラパパは別に「アメリカが全て正しい」と思っている訳でもないです。

ただ、事象に対して自分勝手に分析して自己満足しているだけですのであしからず。

ですが、貿易戦争がもし長引くとすると、元安(と言うよりドル高)は続くと思われますので、外貨持ち出しが厳しい状況ながらも、少しでも外貨資産の足しにするために中国人が駆け込みでロレックスを購入しているのではないかと・・・

なので、ロレックスの販売価格が上がっている理由の私の結論としては、

中国人の需要は以前より落ちてきているけど、駆け込み需要(外貨獲得手段)があるのでロレックスの販売価格を店舗側が吊り上げている

と言うことです。

ちなみに現在のドル/人民元チャートは下の通りです。

USD/人民元チャート

貿易戦争が早期に解決する、もしくは貿易戦争が長引き中国経済に影を落とせばロレックスの換金売りが進み、並行輸入品の販売価格は適正価格に落ち着いていくのではないでしょうか?

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